フランスに旅行や居住する上で、税金制度について知っておくことは大切です。
ここでは、フランスに滞在する方に関わる「付加価値税(日本でいう消費税)」と「所得税」について解説します。
押さえておくべきポイントは、日本と異なる税率、納税方法、免税の3つです。
フランスの付加価値税(消費税)
フランスの付加価値税(TVA:la Taxe sur la Valeur Ajoutée)は日本の消費税に該当します。
日本の消費税の標準税率は10%ですが、フランスでは20%です。また、フランスでは商品の内容によって、以下の表のように10%、5.5%、2.1%の軽減税率が適用されます。
税率 | 主な課税対象 |
20% | 大半の工業製品、加工製品、一般サービス |
10% | 家畜用飼料の農水産品、住居の改築工事、レストラン |
5.5% | 食品、食品製造のための材料、書籍、身体障害者用機器 |
2.1% | 一部の医薬品 |
フランスのTVAは日本の消費税と同じく間接税で、商品の購入代金に消費税が含まれています。
後ほどご説明しますが、お土産用の商品購入時に払ったTVAについては免税を受けることができます。
フランスの所得税
フランスは日本と同じく累進課税制度で所得税が課されます。
1€=140円とすると、課税所得に対して以下の税率が適用されます。
課税所得 | 税率 |
0~143万円 | 非課税 |
143万円~365万円 | 11% |
365万円~1,044万円 | 30% |
1,044万円~2,245万円 | 41% |
2,245万円~ | 45% |
納税方法は、2018年まで確定申告制がとられていましたが、2019年1月1日より、納税方法が源泉徴収制度に変わりました。
源泉徴収制度は、給与所得について毎月の給与から税額が天引きされるため、個人の申告が不要です。
給与所得以外の収入(不動産所得、利子所得)や控除などがある場合は、世帯ごとに確定申告をする必要があります。
免税の手続き方法
旅行者がフランスで買った物で、個人的に使用するために日本に持ち帰る品物や、日本に郵送する品物は免税の対象になります。(免税の範囲についてはこちら)
1ショップで一日に総額175€以上(デパートは建物内の各ショップで購入した商品を合算)の買い物をした場合、免税対象になります。
買い物時に店頭で税金払戻し用の小切手や証明書を受け取り、出国時に税関で確認スタンプを受けることでTVA(付加価値税)の還付を受けることができます。
なお、現金での払戻しはユーロで、手数料が差し引かれます。
まとめ
フランスの消費税(付加価値税)は20%が基準となり、食品や本などには軽減税率が課されます。お土産用に買う場合は、免税を受けることができるため、忘れず証明書を受け取り、帰国時には空港で還付の手続きをしましょう。
フランスの所得税は、給与所得については毎月給与から徴収されるため、申告は不要ですが、その他の収入がある場合は確定申告が必要です。