日本の自然といえば、四季の変化、森林、富士山、温泉といった豊かな自然や、地震、台風などの自然災害が思い浮かぶと思います。
自然環境はその土地に住む人々に少なからず影響を与え、文化や価値観に反映されています。
フランスの自然について知ることは、フランス特有の価値観や文化への理解を深めることにつながるのではないでしょうか。
そこで今回は、フランスの自然の特徴と自然から得られる恩恵や災害についてお話しします。
フランスの地形と気候
フランスの気候は標高差、緯度の違い、内陸部か海岸部によって変化に富んでいます。
北部・北西部は平坦な土地で、南から東にかけて山脈と高地(ピレネー、中央高地、西アルプス)が広がります。
北部・北西部は温暖な気候、南東部は温暖な地中海性気候、西部は海洋性気候、内陸部は大陸性気候、山岳地帯は雪の多い高山気候というように、年間の気温や降雨量は地域差があります。
自然がもたらす恩恵
食
フランスは小麦や大麦をはじめとする農業大国であり、北部のフランス平原を中心に栽培や家畜の飼育がさかんです。
フランスの代名詞と言える、チーズの生産やワインの原料となるブドウの栽培もされています。
スキー場
自然の恩恵を受けている観光地といえば、スキー場でしょう。
モンブランやピレネー山脈など山間部には雪が積もり、世界最大規模のスキー場には多くの人が訪れます。
絶景スポット
海に面し、山の多いフランスには、大迫力の自然を感じる絶景スポットも多数あります。
- アヴァルの断崖(La falaise d’Aval)
エトルタにある有名な絶景スポットです。
モーリス・ルブランの小説であるルパンの奇岩城の舞台になったともいわれています。
- コルシカ島
フランス初の世界自然遺産として登録された「ピアナのカランケ」、「ジロラータ湾」、「スカンドーラ自然保護区」を含むポルト湾はコルシカ島西部にあります。
コルシカ島は、火山活動によって山から流れ出た花こう岩が複雑な島の形を作ることで成り立っています。
複雑なリアス式海岸には、美しいサンゴ礁と断崖絶壁や洞窟などの絶景がみられます。
- シャンモニー
フランス南東部のモンブランのふもとにある町です。
周囲を3,000 m級の山に囲まれ、ハイキングや観光のために毎年数万人の観光客が訪れます。
山に囲まれた湖、氷河など美しく壮大な自然が広がります。
フランスの自然災害
フランスの地震
フランスでは地震がほとんど発生しません。
2019年にフランスで16年ぶりとなる大きな地震の規模はM5.4と、日本人には小規模に感じる地震でした。
しかしフランスの建物は日本のように耐震性が高くないため、家屋の損壊などの被害があり、原子力発電所は点検のために一時停止されました。
フランスの洪水、落雷
フランスで起こる自然災害は、気候変動による大雨、強風、落雷があり、河川の氾濫や道路の浸水などの被害が起きています。
フランスの首都パリではセーヌ川などの大きな川が街を流れているため、都市部でも洪水の危険があります。
常にリスクがあることを認識し、危険な場所には近づかないことが大切です。
世界の自然災害リスクランキング フランスは72位
ワールドリスクインデックス(WRI)という、各国における自然災害の遭遇しやすさとその国の脆弱性(インフラや災害への備えといった社会の脆弱性)を掛け合わせた総合的なリスク指標が毎年公表されています。
2023年の世界ランキングで、WRI(災害リスクの高さ)が日本は24位、フランスは72位でした。
データ分析ではフランスより日本の方が自然災害のリスクは高いと考えられています。
日本に住んでいる間に培った防災の知識や家庭で実践していることは、フランスでも役に立つでしょう。
社会のインフラを変えることは難しいですが、日ごろから災害が起こった場合を予想して準備をしておくことが大切です。
まとめ
フランスの気候は、日本と同様に地域差が大きいです。
年間の気温や降雨量は各地でさまざまなので、フランスへ旅行などで訪れる際は、各地の気候情報を調べておくことをおすすめします。
自然豊かなフランスは農業や畜産がさかんで、小麦を原料としたパン、ブドウを原料としたワイン、新鮮な野菜やチーズなど、その土地ならではの名産品がたくさんあります。
自然そのものも美しいフランスには、多くの絶景スポットがあります。
自然災害の備えをしっかりして、豊かなフランスの自然を満喫しましょう。
参考文献
World Risk Index:WorldRiskReport(ワールドリスクレポート) (ifhv.de)