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フランス各地の伝統的な料理紹介

フランス
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世界三大料理の一つであるフランス料理、実は地方によって特色があることをご存じでしょうか。

フランスの気候は標高差、緯度の違い、内陸部か海岸部によって変化に富んでいます。
そのため、やせた土地ではそば粉を育てガレットにするなど、各地の特色を生かした個性豊かな料理が数多くあります。

また、フランスはスペイン、アンドラ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、ドイツ、イタリアの7か国と隣接しており、近隣の国から食文化の影響を強く受けている地域もあります。

ここでは、地域ごとの食文化の違いや各地方の代表的な料理をご紹介します。

【アルザス・ロレーヌ地方】 ドイツの食文化

アルザスの中心地であるストラスブールにはノートルダム大聖堂があり、フランスで最も歴史のあるクリスマスマーケットが催されるなど、観光地として人気の街です。

フランスの北東部、ドイツとの国境に位置していることから、ドイツらしい美しい街並みは映画のモデルにもなっています。食文化はドイツに近く、ビールもよく飲まれています。

フラムクーヘン(Flammekueche)

フラムクーヘンはアルザス地方の伝統的な料理で、ドイツ語で「炎のケーキ」を意味します。薄いパン生地に玉ねぎ、ベーコン、サワークリームなどをトッピングして焼き上げたピザのような郷土料理です。フランス語では、「フラムクーヘ(Flammekueche)」や「タルト・フランベ(Tarte Flambée)」などと呼ばれます。

キッシュ・ロレーヌ(Quiche Lorraine)

ロレーヌ地方が発祥で、フランスを代表する郷土料理の一つです。

パイ生地に卵、ベーコン、生クリーム、チーズを混ぜてオーブンで焼き上げたものです。前菜としてもメインディッシュとしても食べられており、前菜として出されるときは小さめにカットされて出されます。ディナーの前の食前酒と共に食べる一口サイズのアペロとして、様々な具材を使ってアレンジされたミニキッシュも人気です。

【ブルターニュ地方】 イギリスの食文化

ブルターニュ(Bretagne)はフランス語でイギリスを意味しています。フランスの北西部にある半島で、海を越えた先にあるイギリスと歴史的に関連が深く、イギリス文化の影響が残っている地域です。

バターが名産で、料理によく用いられ、バターを使ったおいしい焼き菓子も豊富です。最も有名な伝統料理は、ガレットクレープです。
また、漁業と農業が盛んな地域であるため、新鮮な魚介を使った料理も多いです。

ガレット(Galette de Sarrasin)・クレープ(crêpe)

ガレットとクレープは似ていますが、生地にそば粉を使い食事系のしょっぱいものをガレット、小麦粉を使い甘いソースやフルーツをのせて食べるものがクレープと区別します。

魚介の盛り合わせ(Plateaux de fruits de mer)に

海に面しているブルターニュ地方は、オマール海老や貝などの新鮮な魚介の盛り合わせがレストランの人気メニューになっています。特に、カンタル港には牡蠣の盛り合わせが有名なお店があり、現地に行ったら一度は食べてみたい一品です。

【ノルマンディー地方】 シードルやチーズが有名

一度は訪れたい観光地のモン・サン・ミッシェルはノルマンディー地方にあります。
自然豊かでフランスの田舎町としてバカンスに訪れる人も多いです。

ブドウが育ちにくい土壌のため、代わりにリンゴを使ったお酒のシードルが名産で、ノルマンド牛の牛乳から作られるチーズは独特の香りと質の高さで有名です。

舌平目のノルマンディー風(Sole à la Normande)

ドーバー海峡で収穫される高級魚の舌平目をノルマンディー地方の名産であるシードルと生クリームを使ったソースで煮込んだ魚介料理です。

アンドゥイユ(Andouille)

アンドゥイユ(andouille)は豚の内臓の大腸詰めで、大きいため薄く切って前菜にして食べます。似たものに、アンデュイエット(andouillette)というものもありますが、これは小腸に詰めるため細く、グリルにしてマスタードソースをかけて食べるのが伝統的な食べ方です。

【ブルゴーニュ地方】 ブルゴーニュ・ワインとシャロレー牛の産地

ブドウ畑が広がり、中世の城が数多く残るブルゴーニュ地方は食材の産地として有名です。
温暖な気候と平坦な土地が農耕に適しており、この土地で栽培されたブドウはブルゴーニュ・ワインとして世界的に非常に高く評価されています。

脂肪の少ない赤身の肉が特徴のシャロレー牛は、ブルゴーニュ地方のシャロレーが原産です。シャロレー牛を使ったブフ・ブルギニョンはこの地域だけでなくフランスの代表的な家庭料理となっています。

ブフ・ブルギニヨン(Bœuf bourguignon)

牛肉を赤ワインで煮込んだ料理でビーフシチューの一種です。フランスの代表的な料理として広まり、現在はパリのレストランなどでも食べることができます。

【プロバンス=アルプ=コート・ダジュール地方】 南仏魚介料理

南フランスを代表するリゾート地のニースやカンヌ、港町のマルセイユが位置するプロバンス=アルプ=コート・ダジュール地方は地中海に面しており、昔から魚介を使った料理がよく食べられています。

ブイヤベース(Bouillabaisse)

ブイヤベースは、マルセイユの漁師がレストランや市場に売ることができなかった硬い骨のある魚などを消費するためにスープにしたことが起源とされています。ブイヤベースの材料として、カサゴ、アナゴ、アンコウ、クモガニなどの魚介と玉ねぎ、セロリ、ジャガイモなどの野菜がよく用いられます。

ブイヤベースの特徴は、サフラン、タイム、唐辛子などのハーブやスパイスで味付けがされていること、伝統的な作り方では魚とスープを分けて提供することが挙げられます。

ラタトゥイユ(Ratatouille)

ニースの郷土料理で、野菜をオリーブオイルで炒め塩コショウで味付けして煮込んだシンプルな料理です。日本ではお洒落な料理のイメージがあるかもしれませんが、もともとは軍隊や刑務所で出される粗末な料理という扱いでした。
余談になりますが、ラタトゥイユはピクサー映画の「レミーのおいしいレストラン」に登場する料理であり、フランス語版の映画タイトルになっています。

【ピレネー=アトランティック地方】 バスク料理

ピレネー=アトランティック地方は、スペインとの国境に位置しており、この辺りのスペインとフランスにまたがる地域全体をバスク地方と呼ぶこともあります。

北東部はピレネー山脈が占め、大西洋に接する自然豊かなこの地域は、魚介、肉、野菜などを使った伝統的なバスク料理や、新しい技術を使った新バスク料理が世界的な人気を集めています。

ピペラード(Piperade)

ピペラードはバスク地方の伝統的な料理で、トマト、玉ねぎ、にんにくなどを炒めてエスプレットという唐辛子を加えて煮込んだものです。
そのまま食べることもありますが、スクランブルエッグの材料にしたり、ソースとしソテーにかけて食べたりします。

ピンチョス(Pintxos)

小さく切ったパンに、オリーブの実、アンチョビ、フォアグラといった食材をのせ、串で刺して食べやすくした軽食です。ピンチョスという名前はスペイン語で「突く」という意味のピンチャーに由来し、串が刺さっていることが特徴です。上に乗せる具材は特に決まりがなく、様々なバリエーションがあり見た目にもかわいいおつまみです。

まとめ

日本に地方独特の食文化があるように、フランスにも各地方に特有の食文化や郷土料理があります。

フランスの観光地を巡る際は、ぜひ地元の料理や名産品を味わってみてください。

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