フランスの気候は日本とはどう違うのでしょうか。
また、フランス国内でも地域によって気候は異なるのでしょうか?
この記事では、フランスの気候や季節ならではの楽しみ方をお話しします。
フランスの四季
フランスにも四季があります。日本と同じ北半球に位置するため、気温の変化も日本と同様です。
フランスに梅雨はなく、夏は乾燥していて最高気温が30℃程度と涼しいです。
また、国土が広いため地域によって気候は異なります。
フランスの西部(ブルターニュ、ノルマンディーなど)は海洋性気候で、大西洋に面しているため年中雨が降り、夏は涼しく冬は寒いです。
フランスの南部(プロヴァンス、コートダジュール、ニースなど)は地中海性気候で、夏は乾燥し、冬は温暖で雨の多い点が特徴です。
春
3~5月パリの平均気温
<3~5月パリの平均気温>
3月 8.2℃
4月 11.2℃
5月 14.9℃
【参考】気象庁 地点別平年値データ・グラフ (世界の天候データツール (ClimatView 月統計値))
<春の気候>
パリの気温は東京の平均気温-5℃くらいで、春といえどまだ肌寒い季節です。
南仏は日中はやや暑く半袖で過ごせるくらいまで気温が上がります。
ちなみに、フランスでは3~6月ごろに花粉が多く飛びます。
日本ではスギやヒノキ花粉が多いですが、フランスではカバノキやイトスギなどが花粉症の原因になっています。
春のシーズンイベント
イースター
春の行事にはイースター(フランス語でPâques)があります。
日程は毎年変わり、春分後に初めて満月になった日の後の日曜日で、翌日の月曜日は振替休日になります。(2025年のイースターは4月20日)
イースター前にはパン屋やお菓子屋に、卵やうさぎ型のチョコレートが並びます。
旧市街の広場ではイースター・マルシェが開かれ、おもちゃ、食器、料理やお酒の販売やイベントが開催されます。
ナイトミュージアム
例年5月半ばの土曜日には、多くの美術館が17時頃~23時ごろまで無料開館する特別なイベントが開催されます。
夜の美術館巡りをしてみてはいかがでしょうか。
ジャンヌダルクの祭り
4月下旬~5月上旬のオルレアンでは、ジャンヌダルクの歴史的な祭りが開催されます。
オルレアンはジャンヌダルクが仏英百年戦争時にイギリス軍から解放した場所として有名です。
祭りでは、軍事パレードや空軍のデモ飛行が行われ、市場も開かれます。
<オルレアンまでのアクセス>
・パリ Gard d’Austerlitz駅からTER(鉄道)にて1時間20分
・シャルル・ド・ゴール空港からRER+TERにて2時間
夏
6~8月パリの平均気温
<6~8月パリの平均気温>
6月 18.2℃
7月 20.4℃
8月 20.1℃
【参考】気象庁 地点別平年値データ・グラフ (世界の天候データツール (ClimatView 月統計値))
<夏の気候>
フランスの夏はカラッとしていて平均気温は20~25℃程度で、日中の最高気温でも30℃程度と過ごしやすいです。
また、日の入りは22時と夜まで明るいです。
フランスではエアコンのない家が多いですが、ここ20年程は数年に一度猛暑の訪れる夏があるそうなので、最新の天気予報で確認するようにしてください。
夏のシーズンイベント
クロード・モネの庭の水連
ジヴェルニーという村にフランスの画家クロード・モネの庭と家が残っており、人気の観光スポットになっています。
6月ごろになると、庭の睡蓮の花が見頃を迎え、モネの描いた作品のように美しい光景を見ることができます。
<シヴェルニーへのアクセス>
・パリSaint-Lazare駅からTERで1時間20分
夏のバカンス
フランスで最も長い休暇が夏のバカンスです。
学校は7月から9月の2か月間お休みで、社会人も7月から8月の間で休暇をとってバカンスに出かけます。
8月中旬はお店も休業をしているところが多くなりますが、その分パリの道路や地下鉄は空いているためのんびりと街歩きを楽しめます。
南フランスのビーチで海水浴
フランスにはビーチが数多くあります。
特に人気の場所は、ニースやカンヌの所在する南仏のプロヴァンス・アルプス・コートダジュール地方です。
海で泳いだり、ビーチ沿いの売店でアイスクリームを買って食べたり、自由に過ごせるのが素敵ですね。
革命記念日
7/14は革命記念日で祝日になっています。
フランス国民祭といい、この日は盛大な軍事パレードが行われ、シャンゼリゼ大通りを陸海空軍の部隊の行進や、戦闘機のデモ飛行を見ることができます。
秋
9~11月パリの平均気温
<9~11月パリの平均気温>
9月 16.3℃
10月 12.3℃
11月 7.8℃
【参考】気象庁 地点別平年値データ・グラフ (世界の天候データツール (ClimatView 月統計値))
<秋の気候>
秋は日中でも20℃前後と涼しくなり、北部では肌寒く感じる季節です。
10月の日の出が8時頃、日の入りは19時頃と日照時間もどんどん短くなってきます。
秋のシーズンイベント
チョコレートの祭典 サロン・デュ・ショコラ
10月末から11月初めにかけて、サロン・デュ・ショコラというチョコレートの祭典がパリから始まります。
日本にも1月から2月ごろにやってきますが、本場パリには多くのパティシエが集まり、ファッションショーやコンクールなどのイベントが行われるため一度は行ってみる価値ありです。
なお、会場への入場にはオンラインまたは現地で購入したチケット(一日券約2000円)が必要です。
ブドウの収穫期
9月ごろにはブドウの収穫がピークを迎えます。
パリのモンマルトルでは10月の第2週末にブドウの収穫祭が行われ、花火や仮装をした人たちによるパレードなど街全体が盛り上がります。
ワインの生産地として有名なボルドー地方やブルゴーニュ地方ではワイナリー見学をしたり、試飲をしてみるのもよいでしょう。
冬
12~2月のパリの平均気温
<12~2月のパリの平均気温>
12月 5.1℃
1月 4.6℃
2月 5.0℃
【参考】気象庁 地点別平年値データ・グラフ (世界の天候データツール (ClimatView 月統計値))
<冬の気候>
気温は日中でも10℃未満で、北部は東北ぐらいの寒さ、南部でも東京ぐらいの寒さになります。
パリを含む南部では積雪はまれではありますが、雪は降ります。
モンブランやピレネー山脈など山間部は雪が積もります。
曇りの日が約7割で、日の出が8時半から9時と遅く、夕方5時過ぎには日が落ちてしまいます。
冬のシーズンイベント
クリスマスシーズン到来
11月に入ると、パリのデパート「ギャラリー・ラファイエット」と「プランタン」でイルミネーションやクリスマスツリーの美しい装飾が始まります。
11月の終わりごろにはクリスマスマーケットが各地で開かれ、ホットワインやプレッツェルなどを売る屋台やクリスマスオーナメントなどの雑貨屋が並びます。
ウィンタースポーツ
フランスのウィンタースポーツといえば、スキーです。
フランスの学校は2月に冬休みがありますが、この休みは「スキー休暇」と呼ばれるほどで、スキー教室に通う子供も多くいます。
フランスのスキー場は世界最大規模を誇り、滑走距離が全長600㎞以上のスキー場があります。
スキー場には1週間ほど滞在する人が多く、リゾート地としてレストランやショップも充実しています。
まとめ
フランスには美術館で行われる無料のイベントや1年に一度しかないお祭りもあり、行く季節によって楽しみ方も変わってくるでしょう。
旬の食べ物やその季節にしか見られない風景を味わい、フランスの文化を体感してみてはいかがでしょうか。